東大の読解問題(大問5)の特殊性
- johnny-osoro
- 2024年6月12日
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東大の大問5は例年、小説やエッセイが出題される。単語や構文が比較的容易だが、高い学力を持った生徒でも苦手とすることがある、面白い存在だと思う。
東大の読解問題の特徴は、情緒面の理解を問う問題が多いことだ。全国模試の偏差値が70程度あるのに、東大の読解で苦労をしている生徒は、ここの理解が甘い気がしている。模試では英文法や政治経済、科学技術などの内容を理解しているかどうかを問う設問が多い。一方、東大の読解では人間の感情や思考の理解を問うものが多い。この感情や思考は論理的、抽象的なものでは全くなく、幼児でも持ちうるもの、人にとって根源的なものだ。
例えば'08の小説。問6では15歳の娘から見た母親の姿を的確に捉えることが正解のカギになっている。シングルマザーの母親が、付き合っている男性と会うためにおめかしをしている。娘はその姿を見て、「痛いな」と思っている。
'16のエッセイ。問(C)では自分とは異質な他者を拒絶する人と受け入れる人の考え方の違いを捉えることがポイント。ホームレスを「動物だ」「劣っている」として拒否するパン屋の店員に対し、同僚が「彼らだって同じ人間だ」と擁護している。
'11の小説。問8では対等な関係として扱われたい患者の少女と、少女を子ども扱いする医者の気持ちのすれ違いを理解せねばならない。医者は、少女が話しやすくなるようにとガラスの文鎮を渡すのだが、少女はバカにされたように感じている。
どれも普遍的、一般的な考え・感情の理解を試しているのがわかる。
東大の読解が受験生に聞いているのは、「人の気持ちがわかりますか?他人が何を考えているかわかりますか?これを英語でできますか?」ということだ。
即効性のある対策はない。強いて挙げれば、普段から人の話に耳を傾け、思考や感情を理解しようと努めることだ。 これは小説や映画でもある程度代用できると思う。ただ、これも受動的に接するだけでは意味がない。「何を考えているんだろう」と能動的に向かうことが大切。結局、これも「好奇心を持つことが大事」という結論になる。大問5の場合は人に対する好奇心だ。
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